株主総会の招集手続を省略・株主総会を書面決議で行うために必要な書類は?

中小企業やベンチャー企業では何を決定するのにも株主総会が必要になってきます。

取締役会設置会社では取締役会のみで決議できる場合もあります。

経営者の方や法務担当者の方は日々株主総会対応に追われていいることでしょう。

株主総会は通常招集通知を株主へ送る必要がありますが、株主総会の招集通知の発送が所定の期日までに間に合わなければ、スケジュールを組み直したり、専門家へ依頼する場合のコストが多額になってしまうことにもなりかねません。

株主総会を円滑に行うためにも株主総会のスケジュールをしっかりと立てることは重要です。

株主総会のスケジュールの立て方についてはこちらの記事をご参照下さい。

そうはいってもすぐに株主総会を開催する必要があったり、招集通知の発送が間に合わない

という場合もありますよね。

本記事では株主総会の招集通知を省略する方法について、雛形を交えて解説します。

株主総会の招集手続を省略する場合の雛形はこちら!

株主総会を書面決議で行う場合の雛形はこちら!

株主総会の招集通知を省略する方法

株主総会の招集通知を省略する方法は2つあります。

①招集手続を省略する

②書面決議にする

どちらの方法をとる場合でも「株主全員の同意」が必要です。

各手続きの詳細については、こちらの記事を参考にして下さい。

招集手続省略同意書の雛形の使い方

招集手続省略同意書の雛形本体の使い方

株主総会を招集手続を省略して行う場合に必要になる書式は同意書のみです。

同意の取得方法は、メールなどでも問題ないので、メールに雛形の文案を貼り付けて利用していただいても問題ありません。

雛形中の●の箇所を会社の実態にあわせて埋めていただければそのまま利用できるようになっています。

委任状の雛形の使い方

株主総会を招集手続を省略して行ったとしても、株主総会自体は実際に開催する必要があります。

株主総会に出席できない株主からは「委任状」という形で他の株主に議決権の行使をお願いしてもらうことになります。

株主総会を開催するために必要な議決権数を確保するためにも「委任状」の回収は必ず行っておきましょう。

委任欄(第●号議案 賛・否の箇所)に◯が付いていなくても委任状は有効です。

委任欄に◯がない場合には、代理人に賛否どちらに投票するのか自体を委任していることになります。

委任状についてもメールで取得することが認められています。

同意書と同じようにメールに雛形の文案を貼り付けて利用していただいても問題ありません。

押印について

トラブルになった場合に備えて、同意書や委任状には押印があった方が安全です。

しかし、押印は必須ではありません。

そのため、「押印が間に合わない・・・」という場合には、あとで押印してもらうことも考えられます。

また、「ハンコ押すのが面倒くさい・・・」という場合には、PDFファイルにクラウドサインなどの電子署名をつけたものをメールで送ってもらう方法でも大丈夫です。

メールで委任状を取得する際の注意点

メールで委任状を取得することは問題ありませんが、法律上はちょっと面倒くさいプロセスを踏む必要があります。

ただし、以下の文案をメールに貼り付けて株主へ送って頂ければ特に問題ありませんので、あまり気にする必要はありません。

メール案文

株主各位

この度、当会社は株主総会を開催致します。

当会社の株主総会に出席できない株主様つきましては、添付の委任状に署名(電子署名可)または押印いただき、ご返送下さい。

本メールに返信する形で委任する旨を表明していただいても問題ありません。

本メールへの返信をもって株主様からの電磁的方法による委任状の提出の申し出があったものとし、当該申し出がなされることを条件に、当会社は本メールをもって株主様が電磁的方法にて委任の意思表示をすることを承諾させていただきます。

【住所】●

【商号】●

代表取締役●

会社法上は、電磁的方法(メールなど)で同意の意思表示をしてよいかを株主が会社に対して申し出て、会社がこれに承諾することで電磁的方法(メールなど)による意思表示が可能となります。

書面決議の雛形の使い方

株主総会を書面決議で行う場合には、雛形中の●を埋めた上で書面またはPDFファイルで株主へ送付して下さい。

書面決議の提案書

①株主総会で決議予定の事項②同意の期限を記載することで完成です。

提案書は、株主に対して株主総会の目的事項(決議事項や報告事項)を通知するものになります。

提案書に記載する事項については、株主に同意するかどうかの判断材料を与えるため、議案の概要(例えば「取締役選任の件」に加えて誰を選任するのか)を記載することが一般的です。

また、書面決議の場合、株主全員から同意を取得した日が株主総会の決議日となります。

いつまでたっても株主から同意が得られないと困りますよね。

そのため、提案書には同意の期限を記載することが一般的です。

書面決議があったものとしたい日としたい日付を同意の期限として設定しましょう。

提案書のイメージは掴めたでしょうか。

まとめると、提案書には

①議案の概要

②同意の期限

を盛り込む必要があるということですね。

各記載事項の詳しい解説については、雛形内のコメントをご参照下さい。

書面決議の同意書

上述のとおり、書面決議で株主総会を行う場合には、株主全員から同意を取得する必要がありました。

同意の取得方法については、書面または電磁的記録(例えばメール)となっており、簡単にいえば記録が残る形で同意を取得する必要があるということです。

同意書は一般的に会社で作成し、提案書とあわせて株主に対して発送することになります。

同意書の記載事項については、法律上特に決まりはないため、同意の意思表示が確認できる書式であれば問題ありません。

とはいっても、どの提案に対していつ同意したかわからなければ、本当に書面決議として成立したのか不明確となってしまいます。

そのため、同意書には、

①いつ提案された事項に対して

②いつ同意したか

を盛り込む必要があります。

報告事項も書面で行うことが可能!

「書面決議」について解説しましたが、決議事項だけでなく、事業報告などの報告事項も実際に株主総会を開催しないで行うことが可能です。

株主総会における報告事項を書面方式で行う場合にも、株主総会の書面決議の場合と同様に、①株主に対して報告事項を通知し、②株主全員から同意を取得する必要があります。

上記で紹介した雛形では報告事項についても盛り込んでいますので、報告事項について株主総会を書面開催としたい場合にもご利用下さい。

アレンジの仕方については雛形内のコメントに記載していますが、わからない点があったり、特殊な事例の場合には専門家に相談することをおすすめします。

株主総会の招集手続を省略する場合・書面決議にする場合の注意点

招集手続を省略する場合の同意の取得方法は、次のとおりです。

(1)書面

(2)メール

(3)口頭

しかし、口頭で同意を取得しても後になって「同意した証拠をみせろ」と言われると困ります。

そこで招集手続を省略する場合には、極力書面やメールなどの記録が残る形で同意を取得することをおすすめします。

株主が経営者の方一名である場合など、株主が少ない場合には招集手続を省略する方法が最も簡単です。

一方で書面決議の場合の同意の取得方法は、次のとおりです。

(1)書面

(2)メールなど

また、書面決議の方法で株主総会を行う場合には、株主に対して株主総会の目的事項(決議事項や報告事項)を提案する必要があります。

このように書面決議の場合は、提案書や同意書といった書面(又は電磁的記録)が必要になるわけです。

株主はそれなりにいるけど、実際に株主総会を開催するのは難しい・・・という場合には書面決議の方法がおすすめです。

最後に

株主総会は原則として招集通知を発送して開催することが望ましいですが、株主が1名であったり、なんらかの事情により招集通知を発送できなかったり、実際に開催することが難しい場合には、招集手続を省略したり、書面決議で行った方が良い場合もあるでしょう。

専門家に依頼する際も、招集手続を省略する想定なのか、書面開催とする想定なのかを予め決めておくことで依頼がスムーズに進むことに繋がります。

また、自社で招集手続の同意書や書面決議の提案書、同意書を作成していれば、専門家に依頼する際のコストを下げることができる可能性もありますよ。

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